年長の息子は、来年小学生。
自閉症スペクトラムで、幼稚園では加配の先生がついています。
息子は、家ではおしゃべりで得意なこともたくさんあります。
けれど集団の場や慣れない場になると声が出にくく(緘黙)、本来の力を発揮できないことも多いです。

今年の春に、障害福祉課の職員さんと話をしたときに
「就学へ向けて、どう考えてますか?」
と聞かれました。
支援級を検討していることを伝えて、改めて就学相談の申し込みをすることになりました。
▷就学相談のスケジュールと必要書類
就学相談って何?
就学相談とは、小学校に入学する前に、その子に合った学級(普通級・通級・支援級など)を一緒に考えるための相談の場です。
保護者の希望を聞きながら、幼稚園や保育園での様子、病院の先生の意見書などをもとに、話し合いが行われます。
我が家が支援級を選んだ理由
息子は知的障害のない自閉症。
普通級、通級、支援級
の選択肢があると教えてもらいました。
支援級は自治体によってクラス分けが異なり
我が家の住む自治体は
「自閉・情緒級」というのがあるため
知的障害のない発達障害や特性のある子は、そのクラスに属することになるとのこと。
通級に在籍する娘との違い
息子は知的な遅れはないけれど、集団への不安が強く、緘黙もあるので、現在も幼稚園で加配の先生にサポートして頂いています。
小学生になってから、急になんのサポートもない普通級へ入っていくことは親としてもとても不安です。
わが家には通級に通っている娘もいます。
通級は、普段は通常級に在籍しながら、週に数時間だけ個別や小集団でサポートを受けられる仕組みです。
娘の場合は集団適応は問題なくて、学習面の遅れや聞く力が弱いところがあるので「個別で苦手なところを学べる場」くらいで十分でした。
しかし、息子は集団不安が強く声が出にくいので、通級だけでは安心できないだろうと感じました。
発達障害や繊細っ子といっても、その子それぞれの特性が違うので、それぞれに合う環境選びが必要だと感じます。
息子にとって大切なのは「安心感」
息子にとって一番大切なのは「安心感」。
今までも、安心感の中で少しずつ成長してきた息子。
サポートしてくれる先生の存在や少人数の場で「安心して過ごすことで自分を少しずつ出せる」というのが最も大切だと感じ、支援級を第一に考えました。
支援級は「できないから行く場所」ではなく、「できる力を引き出すための場所」だと、私は感じています。
幼稚園の先生の意見
幼稚園の加配の先生にも意見を聞きました。
すると、先生からははっきりとこう言われました。
「息子くんは支援級が良いと思いますよ。
実は私の子も息子くんと同じようなタイプで、支援級に通っていたんです。今はもう大きくなりましたが、支援級は安心感が全然違います。
通常級だとサポートがないから、集団になると本来できるはずのこともできなくなってしまう。そうすると“できた”という経験を積めないままになってしまいます。」
さらに先生は、こうも言いました。
「せっかくできる力があっても、周りと比べて“できない”と感じる経験が増えると、自己肯定感が下がってしまうんです。」
それはまさに、私自身が息子に対して抱いていた一番の不安でした。
先生も同じ気持ちだと分かり、支援級への思いはより強くなりました。
先生のお子さんも同じタイプで支援級に通っていたという実体験を聞けたことも、とても参考になりました。
発達の病院の先生の意見
息子の発達は、児童精神科の先生に診て頂いています。
先生からは、
「息子くんは集団不安が強いから、安心できる環境がとにかく大切です。支援級が良いと思いますよ。」
とアドバイスをいただきました。
同じ想いだったので、先生の言葉でさらに気持ちが固まりました。
意見書を書いていただいたので、後で自宅で読んでみました。
先生からの所見に書かれていたこと
- 切り替えの難しさがある
- 不安が強い
- 完璧主義で融通が利かない
- 感覚過敏
- 情緒的な過敏さがある
- 個別対応であれば落ち着いて過ごすことができる
正直、息子の特性が次々に書かれているのを目にすると、改めて問題点だけを突きつけられたようで少し落ち込みました。
「息子はこんな子で、この先どうなるんだろう…」とモヤモヤした気持ちが浮かんできました。
先生の意見欄に書かれていたこと
- 安心できる環境を保証するのが大切
- 見通しを明確にする
- 変化を極力避ける
- スモールステップで、要求が多くなりすぎないようにする
- 集団参加は少しずつにする
- 個別の対応が必要
目には見えにくいけれど、息子はこんなに多くのことを抱えている。
でも同時に、安心できる環境さえ整えば落ち着いて過ごせる ことも改めてわかりました。
支援級であれば、息子に合った支援を受けながら安心してスタートできる。
やっぱり息子にとっては支援級が最適なんだと、強く感じました。

まとめ
就学に向けての選択は、本当に悩むものだと思います。
「普通級がいいのか、通級なのか、支援級なのか」…その答えは一人ひとりの子どもによって違います。
うちの場合は、息子にとって一番大切なのは“安心できる環境” でした。
だからこそ支援級という選択をしました。
同じように悩んでいる方も、ぜひ「安心して過ごせる場所はどこか」という視点で考えてみたら良いのかなと思います。
そして私たちは実際に、支援級の見学にも行ってきました。
▷関連記事はこちら
① 就学相談で支援級を選んだ理由(現在の記事)
② 就学相談のスケジュールと必要書類まとめ|支援級を希望するまでの流れも紹介
③ 支援級の学校見学、どうやって申し込むの?流れと注意点まとめ
④ 支援級を見学した体験談|息子と一緒に見た教室の雰囲気
我が家も、迷ったり悩んだりしながら試行錯誤の日々です。
発達障害のことを理解するうえで、読んでよかった本をいくつかご紹介します。
特性や関わりを理解することで、「この子にはどんな環境が合うんだろう?」と考えやすくなります。
診断名にとらわれず、「この子らしさ」を見つめるヒントになるかと思います。
10年以上前に出版された本ですが、発達障害のことがとても分かりやすく書かれています。
この文字の量でここまで書かれている本はなかなかないかなと思っています。おススメです。
こちらは図解入りで読みやすいシリーズです。
ライトで分かりやすいので、導入として読んだり、身近な人に読んで特性や関わりを知って欲しいときなどにもおススメです。
発達障害全般はこちら。
自閉症はこちら。
通級在籍の娘は未診断ですが、特性的におそらくADHDと思われます。
同じシリーズのADHDの本も出ています。
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